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contact Gonzo『xapaxnannan:私たちの未来のスポーツ』

contact Gonzoの新作は京都サンガF.C.の本拠地でもある西京極スタジアムで「上演」された。2万人収容の巨大スタジアムで「上演」された作品のタイトルは『xapaxnannan(ザパックスナンナン):私たちの未来のスポーツ』(以下『xapax』)。ゴンゾのメンバー…

ルイス・ガレー『メンタルアクティヴィティ』

ところどころが液体で濡れ、黒のペンキらしきもので汚れた板敷きの舞台。舞台奥には三基の照明が立ち、強烈な光を客席に向けて発している。客席の明かりが落ちてしばらくすると、光の向こう側から何かが飛んでくる。ベルト、ペットボトル、コンクリートブロ…

オオルタイチ+金氏徹平+西川文章「ミュージックのユーレイ」

金氏徹平『四角い液体、メタリックなメモリー』展示空間でのイベント第2弾は音楽ライブ。 幽霊の衣装でオオルタイチが登場すると、金氏徹平の展示物のアクリルボードで作られたブースに入りお経(?)を唱える。お経が終わるとアクリルボードに油性マジック…

KAIKA『gate #12』

劇団しようよの大原渉平ディレクターによる3団体×2プログラム、計6団体による試演会。KYOTO EXPERIMENT2014フリンジ企画オープンシアターエントリー作品。 各演目間の転換の5分でそれぞれの作・演出の話を聞くコーナーがあるのはよかった。 以下、ほとん…

She She Pop『春の祭典——She She Popとその母親たちによる』

ドイツの女性パフォーマンス集団She She Popはかつて、『リア王』をモチーフに自らの父親たちと『Testament』という作品を作り上げた(筆者は未見)。自らの母親たちとの共同作業による今作『春の祭典』はその続編とでも言うべき作品である。『春の祭典』を…

村川拓也『エヴェレットゴーストラインズ』

大筋は去年の『エヴェレットラインズ』(こちらを参照のこと)から変わらないものの、全体の構成や照明などの演出はより丁寧に。上演中、誰もいない空間に照明があたる瞬間が何回かあるのだけれど、その瞬間に象徴されるように、不在によりはっきりとフォー…

ルイス・ガレー『マネリエス』

薄明かりに立つ女性ダンサー。衣装は黒の上下の下着のみ(と言ってもセクシーな感じは微塵もなく、スポーティな印象)。目を凝らしてようやくダンサーの姿が幽かに見える程度に光量は絞られている。輪郭がぼやけて見えるのはダンサーが痙攣しているのかそれ…

板垣賢司+ 森千裕+ 横山裕一+金氏徹平「トレースのヨーカイ」

金氏徹平の展示『四角い液体、メタリックなメモリー』の二つの展示空間のうちの一つ、京都芸術センターギャラリー南で行なわれたライブペインティングパフォーマンス。今回の金氏の展示は「琳派」というお題に応える形で企画されたものだという。「琳派」は…

ルビンの壷、あるいは演劇 村川拓也論

はじめに 村川拓也の演劇作品はルビンの壺に似ている。ルビンの壺とは図地反転図形の1つ、壺にも向き合う2人の人物の顔にも見えるというあの図形の名前である。 たとえば、村川の演劇作品『ツァイトゲーバー』『言葉』『羅生門』ではそれぞれ「介護」「被…

useful_days 番外編:集団:歩行訓練『ゲームの終わり』関連トーク

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KYOTO EXPERIMENT2013フリンジ オープンエントリー作品「岩戸山のコックピット」(http://www.cockpit-ex.info/index.html)内で上演される集団:歩行訓練『ゲームの終わり』に関連してトークを行なうことになりました。 ベケット入門:『ゲームの終わり』の…

useful_days 10/13:木ノ下歌舞伎『木ノ下歌舞伎ミュージアム "SAMBASO" 〜バババッとわかる三番叟〜』

木ノ下歌舞伎は古典と現代を接続するためにさまざまな試みをしてきたが、今回の『木ノ下歌舞伎ミュージアム』はその活動のひとまずの集大成であると言える。演目としてはタイトルにもあるように2008年初演のダンス作品『三番叟』(監修:木ノ下裕一、演出:…

useful_days 10/9:村川拓也『エヴェレットラインズ』

村川拓也は『エヴェレットラインズ』の当日パンフレットに次のような文章を寄せている。 1.30人〜40人の人々に手紙を送った。手紙を受け取った人々はこの作品の出演候補者である。手紙には指示が書いてある。その指示に従う場合は当日劇場に来て出演者とし…

useful_days 10/5:けのび『おかず石』

使えるプログラムWS系、けのび『おかず石』(http://kyoto-ex-useful.jp/archives/1007)。石をおかずに白米を食べるという未知の体験をしてきた。河原で好みの石をいくつか拾い、それを煮沸消毒ののち、白米とともに食す。先に石だけ味わってもよし、白米と…

useful_days 9/30:わたしたちはひとりで野次馬になることはできない マルセロ・エヴェリン/デモリションInc.『突然どこもかしこも黒山の人だかりとなる』レビュー

薄暗い空間に蠢く黒い塊と観客たち。上演空間に入るなり目にしたのはそんな光景だった。連ねられた蛍光灯が胸の高さに吊るされ、リングを囲うロープのように空間を区切る。観客はそのパフォーマンスゾーンに「入ってもよい」。どこからかドッドッドッと規則…

useful_days 9/30

昼を京都芸術センターの中にある前田珈琲で済ませてからカフェ・モンタージュで諸々片付ける。珍しいアールグレイ・ウーロンをおともに。カフェ・モンタージュの紅茶はポットでたっぷり飲めるのがうれしい。写真は前田珈琲の牛スジカレー。しゃぼしゃぼ緩め…

useful_days 9/29:米光一成『思考ツールとしてのタロット2013』

朝、鳥取から特急スーパーはくとに乗って京都へ。昼はチェルフィッチュ『地面と床』(http://kyoto-ex.jp/program/chelfitsch/)。また別に詳しく書くことになるけれど、今まで以上に完成されている、というのが第一印象。言葉の通じない(というよりは聴き…

useful_days 9/28:KYOTO EXPERIMENT 2013 使えるプログラム支援系A

本日よりKYOTO EXPERIMENT 2013(http://kyoto-ex.jp/)がはじまります。僕は「使えるプログラム支援系A」というのに参加して劇評などを書いていく予定。ここでは劇評とは別にuseful_daysと題して日記的なものを書いていきます。「使えるプログラム支援系A…