useful_days 9/29:米光一成『思考ツールとしてのタロット2013』

朝、鳥取から特急スーパーはくとに乗って京都へ。

昼はチェルフィッチュ『地面と床』(http://kyoto-ex.jp/program/chelfitsch/)。また別に詳しく書くことになるけれど、今まで以上に完成されている、というのが第一印象。言葉の通じない(というよりは聴き取れない?)他者としての死者、外国人、音楽そして身体との交流。

間に地点も公演をするカフェ・モンタージュ(http://www.cafe-montage.com/index.html)で休憩。コーヒーはたっぷりでケーキもうまい。Nowhereman(http://www.nowhereman2010.com/)のケーキは入れ替わりで本日はガトーショコラ。ピンクペッパーのアクセントが効いてる。
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夜は使えるプログラム上演系の米光一成『思考ツールとしてのタロット』(http://kyoto-ex-useful.jp/play)。タイトルにもある通り、「思考ツールとして」タロットカードを使ってみる、という趣旨のイベント。タロットの大アルカナ(一般に「タロット」と言ったときに思い浮かべる22枚のカード。「愚者」「塔」「吊るされた男」とか)についての簡単なレクチャーのあと、相談者とタロット使いのペアを作って実践。相談者は悩みを相談し、過去現在未来に対応する3枚のカードから何らかの解釈を導き出す。タロット使いは基本的に聞き役。

悩み相談としては相談者自らが勝手に思い当たり、勝手に納得するから基本的には「外れない」ところがポイント。まさに相談者自身の思考を促すためのツールとしてタロットがある。

キーワードはコレポン=correspondence、「偶然の一致を必然と見る」こと。タロットカードが別の視点から世界を見るきっかけとなる。参照項として俳句における「二物衝撃」=本来無関係なものを並べることによって生じる妙味(例として挙げられていたのは「恋ふたつ レモンはうまく切れません」by松本恭子など)と「目に映る全てのものはメッセージ」(これも575…)という言葉が挙げられていた。

使えるプログラム全体との関係で言えば、『思考ツールとしてのタロット』もまた、世界をそのようなものとして「見做すこと」の実践としてあった、ということができる。一方、「世界に対する別の見方を提示する」という言い方をしてみると、ざっくり言ってそれはどんな芸術でもそうなんじゃないの?=それは「劇」に限られるのか?という疑問が出てくる。これは自分が「使えるプログラム」を見ていく今後の宿題。

明日はマルセロ・エヴェリン/デモリションInc.『突然どこもかしこも黒山の人だかりとなる』。メインビジュアルの黒塗りの裸体が最近読んだマンガ『テラフォーマーズ』のゴキブリにそっくり、かつ、薄暗い空間でその黒塗りの裸体が迫って来るらしいと聞いてちょっと怖い…。